2021年2月20日土曜日

ガゾリン車ゼロって!?

2020年12月3日 政府が突如発表したガソリン車ゼロ政策について

 

ガソリン車ゼロ政策について、経産省が主導する有識者会議や専門部会では、単なる達成目標ではなく「義務」にするべきだとのことで、これに呼応する形で、東京都知事も反応しました。さらに世界経済フォーラム(開催コロナで延期)に向けて、日本は、自身の地球温暖化対策目標達成(中期2030・長期2050)に向けて、これを絶対にやる、という強い口調で宣言をしました。これらは概ねガースさんの演説の通りですが、これらの方針はすべてカーボンニュートラル政策、グリーン成長戦略に集約されます。(併せて国連が主導するSDGsにも関連してきます。)


経済ジャーナリスト井上氏(神戸のFM局でのインタビュー)によれば、

これには複雑な経緯があるといいます。以下に、井上氏のコメントを織り交ぜて記載します。

(テーブルの下で足を蹴りあっていると表現しておりました。)


そもそも、EVに使用する電池(リチウムイオン電池)の分野では、パナソニックが世界ナンバーワンでした。事実、セレブに人気のテスラに搭載するバッテリーはパナ製が搭載され、増産の計画までされていました。しかし、突如イーロンマスクは自社製の電池を搭載すると宣言し、パナソニックは窮地に立たされます。ニュースではテスラの裏切りとまで言われたのは、それもそのはず、イーロンマスクの言う自社製とは名ばかりで、パナソニックとは競合相手である中国福建省にある電池メーカ(習近平が以前、市長を務めていたところの大手企業)がこれを請け負い、この電池工場をカリフォルニアに設立し雇用を創出しようという大型ビジネスもセットで進んでいたのです。これは2020年のことです。そういえば、パナの事業所の一部をニューヨークに移すという話も無くなりました。


トランプは、米国内のEV戦略については、後ろ向きだったと言われます。これには、対中政策として、緊張を高めた状況、例えばEAR(米国の輸出規制品目強化)をみてもわかります。アメリカの技術を中国が盗んでいる、という理由で各種の規制が敷かれたのは既に知られるところです。つまり、EV路線には中国が噛んでいるということを認識していたのです。しかし、大統領選でトランプの敗北がほぼ確定したという状況下において、バイデンは、温暖化会議への復帰や積極政策をとると既に公言していましたので、これに合わせて、日本の各省庁は、事前に用意していた方針を、一気に出してきたというのが今回の顛末です。


現在、世界の投資マネーの行き先の多くは環境関連事業であり、ESG投資なる怪しげな仕掛けを用意し、その中でもEV関連に集まっているといわれております。この際、EUはハイブリッドを認めずに、純粋にEVを柱に進めることで、各種の施策が合意形成されております。

つまり、豊田章夫氏が苦言を呈したのは、これらの施策は特定勢力によって、自由な産業構造をゆがめるような事であり、これを日本政府が容認するだけでなく、むしろ後押しさえしているというのは、やがては日本経済自体(自動車産業)が破壊されてしまう可能性があること、危機的な状況に陥っているということを、日本の自動車産業の代表として言っていたのです。

このことを井上氏は過去のスキー・ノルディック複合やジャンプ競技のルールが、日本が不利になるように改定されたことを例えにしておりました。なるほど、その通りです。


トヨタの国内自動車産業に関わる人数は540万人と言われており、この多くは、下請け工場や整備工場など、関連事業者が占めております。トヨタがハイブリッドにこだわるのは、こういった市場・雇用維持しトヨタを支えてきた人々(産業)を切り捨てるような施策をとるなどということは、日本企業としてあり得ないという訳です。(まさか、日本があのデトロイトのような事になるとしたら、二度と陽の目を見ることがないのかもしれませんが)


さて、経産省の参与 水野ヒロミチ氏の前職では、公的年金基金運用最高投資責任者を務めておりました。そのころ業界内での彼のあだ名はバナナというのは有名なことだったようです。

このばなな氏が経産省の参与となり、今回のEV戦略を強力に推進し、ガースさんと何度も会食をし、カーボンニュートラルだのグリーン成長だのとぼやかして、事は進んだ訳ですが、これらの施策には、実はとんでもないことがしっかりと記載されております。


経産省は小泉進次郎氏に石炭や火力は悪だという認識を吹聴し、火力によって発電された電力はクリーンでは無い、という理由を付けて日本はこれを脱していく、先頭を立っていくのだと、テレビで繰り返し報道させました。(すなわち、これらは先出のESGに反するものであるから、真っ先に投資対象/開発対象から外されることになります)


すっかり悪にされた火力発電の電力は、何しろ悪ですから、使うことは出来ません。そこで、

ようやく経産省の本音が見えてきます。グリーン成長戦略には以下の事がかかれています。

原発の利用です。

(トータルコストという計算方法があるにも関わらず、これには一切触れないのは、意図的かもしれません)

近年、経産省は、何とかして再稼働を画策しておりましたが、なかなか進みませんでした。

それはそうです。311の記憶が私たち日本人の中には強くあり、もう原発は無理だというのが、おおかたの認識ですから。

ところが、執拗にマスコミは、火力が悪だというキャンペンを広げ、恐らくはこの認識が自然と広がり、それが世界の流れだからしょうがないという日本人特有の論調にシフトするまで、放置すると思われます。

しかし、問題は、そこだけではありません。

驚くべきことに、経産省は小型原発の新設や輸出をも計画し、日本がこれのイニシアティブをとっていくとしているのです。自国の原発事故も収拾させることが出来ないのに、恐ろしい考えです。


さて、これらを正当化するには、もう一押しが必要です。

そうです、電力ニーズが高まる必要があるのです。そのニーズを押しだすために水野氏が経産省参与として起用されたのです。いったいなぜ起用されたのか、それは水野氏のもう一つの肩書を知る必要があります。

それは、彼が、テスラの社外取締役だったということです。..


非常に下世話な話、こんな幼稚な話があるのか?という気もしますが、事実です。

つまり、水野氏はEVが進めば自分の利益になり、経産省も原発の再稼働のみならず新設にまでつなげることが出来るといううまい話です。

もちろん、そんな言葉は一切出しません。あるのはカーボンニュートラルとグリーン成長戦略で、これらがSDGsに基づいた日本の戦略です!とカッコ良さげなことをいうだけですから。


水野氏のあだ名は「ばなな」だと記載しました。

これは、外見は黄色(黄色人種・日本人)、でも皮をむいたら白い(アングロサクソン、欧米)という、日本人における外国勢力を優遇する輩に対する皮肉ったあだ名ですが、言わずもがなです。


どうやら、きれいな事をあちこち空想して、世の中は動いておりますが、例えば温暖化がどうのこうの、大そうなカッコいいことを言ってはおりますが、実のところはものすごい利害関係が含まれ、そこに良心などというものは一切ないという事を、ナイーブな我々は理解しなければなりません。


さて、このばなな氏は、何とこの不誠実を皆に指摘されたせいなのかはわかりませんが、

2021年1月18日に経産省参与を退任し、2021年の1/2付けで国連の特使に任命されているそうです。今度は国連で、世界的にEVを普及させるために活躍するのでしょう。いったいどうやったら国連の特使になれるのか不思議ですが。


とにかく、今取られている様ざまな政策は一見大切だと、誰かから言われておりますが、一方では、日本の強みを潰そうという勢力によって作られたものですから、それを自らが推進していこうというのは、お人好しの域を超え、狂っていると言わざるを得ません。(トヨタがスマートシティを設置するのは、そういった勢力に対する抵抗の一環かもしれませんが)

日本は自動車産業がダメになったら、何で稼ぐといういうのでしょう?


さて、何を書こうと2030年にはEVシフトが始まります。この時、日本の自動車産業はどうなっているのでしょうか。


その昔、高性能な日本車が席巻してデトロイトは衰退しました。

高性能なクオーツ時計が開発されてスイスの高級時計業界は窮地に立たされました。

しかし、その日本さえも、白物家電はもはや日本製は少なく、パソコンやスマホも日本製は殆どありません。パソコンのオペレーティングシステムもそうです。サンヨーは無くなり、シャープは買われ、電気メーカ各社は電気製品ではもはや食っていくことは不可能な状態にまでなっています。

世界標準という名の特定勢力による影響は随所に現れていることがわかります。

衣料品の洗濯表示マークもその一環です。あれは、あの今の図表は日本人がデザインしたそうですが、何をいわんや、実のところはEU諸国の移民や文字の読めない人にも分かるように、デザインされているのですよ。これなどは、自国の事を考えないで、世界に合わせていくのが良いことだ、という認識が蔓延している証拠です。何でもかんでも世界に合わせていくというのは、ちょっと気持ち悪いと感じるのは私がおじさんだからですかねぇ。

こういった事に遭遇するたびに、暗い気持ちになりますが、それでも、ものごとの全容を意識しながら自分たちの方向性を探り続ける必要があるのは言うまでもありません。

こういうことをラジオで発言していくれる人がいるっていう事実には希望が持てるのかなとも思います。

経済ジャーナリスト 井上氏には頑張って欲しいものです。

2021/02/15


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