2022年2月7日月曜日

こういうのは富岳の有効活用とは言わないと思う。

 富岳についての過去コメント
2020年の10月
https://mtyg.blogspot.com/2020/10/blog-post_18.html

これぞ富岳という実験を見てみたいものだ。
例えばね、普通のPCで、1年かかるような計算を1msecで完了したとかさ。(笑)

PDFを見ましたけど、テキストコピーできないので、ざっと打ちました。


理研/神戸大の今回のテーマの責任者、坪倉先生は
計算流体力学の専門家ですね。
で、
「室内環境におけるウィルス飛沫感染の予測とその対策」
としております。
(京大、神大、阪大、豊橋技大、東工大、九大、
NUS(シンガポール国立大学)、鹿島、ダイキンの順で記載されております

・通常呼吸における吸引飛沫量をシミュレーション予測
・飛沫中のウィルス量は過去文献より仮定し、体内に侵入するウィルス量Nを算出
感染に至るウィルス量(No)を過去クラスターイベントより仮定して、
感染確率を推定(文献※→これは未査読のこれまた、推定の論文ですけどね)
で、
5つのイベント
(中国観光バス*2 、韓国エアロビ、韓国コールセンター、米聖歌隊)
から、N0のウィルス量つぃて、300~2000としております。

また、感染者の飛沫に含まれるウィルス数を10の7乗/mlとし、これは
「患者によって大きく異なる!」とビックリマーク付きで注意しております。
(感染者以外の健康状態と抗体量などは未定義だと思われます)

そして、オミクロンはデルタよりも1.5倍の感染力として概算したと記載。
感染しない確率(N0=900時)をグラフ化。
これ、「感染する確率」としないところは何かの意図があるのだろうか?

他にもいろいろあるのですが、もう、
このチーム、坪倉先生らは良心的ですね。
何故かって?
「感染リスクについては、パラメータの設定で大きく結果は変わるので、あくまでも参考値としてください!」
と言っております。
この方、研究者として、ギリギリを言っております。
分かってくれよぉーという感じでしょうか。

このリポートのP5、P6、P10あたりで、十分ではないでしょうか。
シミュレーションとは仮説に仮説を掛け合わせたものなので、
それらを彼らはしっかりと認知していることがわかります。
とすれば、さもこれでどうだ!という論調で報じているマスコミが
バカなのは言うまでもありません。もっと言うと
記者かライターがバカ(バカな振りしても)決定です。
もちろん、それに釣られる私たちもバカ決定!(笑)

でですね、このリポート見てて、これ、富岳を使う必要ないですね。全然。

シミュレーションの一番のキモは、本当にそうなるのか?という実証実験です。
それがあって、初めてその計算方法が正しいとかおかしいとか議論に入ることができます。
今の段階で、富岳のシミュレーションについては問題の定義どまりといったところですかねぇ

坪倉先生にしてみれば、あとは、誰か専門家が実証実験をしてくださいよ、といったところでしょうかね。

発症者の発散ウィルス量を可変させ、非発症者の免疫力の複数パラメータを可変させ、
何億通りのパターンで、可視化しました。とかね。その場合は、
そもそも見せ方が、複数パラメータがるので、二軸と着色くらいじゃ追いつかないので、
新しい表現方法が必要で、そう言ったセンスも求められると思う。

まぁ、それにしてもだ、富岳を使う必要性はなさそうですなぁ。
過去記事にも記載しましたが、
理研が中心になって開発している
ジェネシスという分子動力学ソフトウェアでのタンパク質の動的構造予測につかっているとか
そういうところが良いのではないかと思う次第。
社会貢献を張り切ってやっても、奇妙なポーズ、気の毒な感じが拭えないんだよね。

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