2012年9月8日土曜日

胆のう摘出、開腹手術をやっちゃいました。(1/2)


人生は、経験である。by タイ象


毎日暑い日が続く、八月のある日、病棟からの景色。
食堂からは、(写真とは反対側)は、なんと、富士山が見えます。
そんな入院生活の模様を書き綴ってみたいと思います。(長いです)

胆のう摘出手術を実施し、手術終了直後からの記憶を羅列してみました。


手術当日(術後の夕方)
目が覚めた、覚めかかった、モウロウとした状態。
お腹に、ドーンと、マンホールのふたが乗っかったような感触。
とても違和感ある。

何これ?って感じです。

身動きとれない術直後。
麻酔がやや覚めた状態で、かみさんが俺に何か言っている。
俺はうなずいていたらしいが、ほぼ記憶無し。
かみさんの手に「会社」っていう文字を俺は書いていたらしい。
どんだけ会社気にしてんだろね〜(笑)
そして、
帰り際に、息子に、親指立てて合図を送ったらしい。
うん、確かに、それ、遠い記憶の彼方にありました。
言われて思い出した(笑)

この一件で、ナースからはダンディなお父さんと呼ばれていました。
(手術終わってサムアップする人は少ないらしいです)

で、
だんだん麻酔が覚めてきて、オエオエになりました。
鼻からチューブが入ってて、これがまた、オエオエなるんです。
一度オエオエモードに入ると続くんですよ。
オエオエになると、マンホールのふたが乗っかったお腹に激痛が走ります。

ナースに、これ(鼻から挿入したチューブ)を抜いてくれと懇願する。
もちろん、ゼスチャーね。しゃべると、オエオエになるから。

これは辛かった。

全身は、結構、身動きとれないような状態で、
他にも、色々な物が接続されていたようですが、それらを冷静に観察する余裕はありませんでした。

手術の説明書によれば、以下のものが接続されていたそうです。
・血圧/脈拍/呼吸のモニター
・痛み止めの挿入
・傷口からのドレーン(お腹の横)
・酸素マスク
・点滴
・胃の中の液体の排出(鼻から挿入)←オエオエの原因
・オシッコの管

夕方に手術が終わって、一晩、オエオエ辛くて泣きそうでした(笑)
っていうか、涙も多分、出てたと思う、よだれと同じに。

翌朝(術後1日目)
早々に鼻からチュープ取り外しの懇願。
「先生が来たらね」と、ナース。
早く来てくれよぉ 先生。(この時、朝6:00(笑))

この辺は記憶が曖昧なんだけど、とにかく、朝に鼻からのチューブは取ってもらった。
そして、そのあと、暫くして(多分午後)車いすで病室に移動。
その時に、初めて、おしっこの袋とドレイン用の袋が、俺に接続されているのを見る。
もちろん、点滴もセットだから、付随するものとしては、
あの点滴とかぶら下げるキャスター付きのポールあるでしょ?あれにセットされているの。

俺の意思とは無関係に、おしっこが出ている(笑)そういうものなんだな。

手術の過程で、小腸を傷つけ、小腸を5センチ短くしてつなぎ直した事、
癒着が激しく、そんな事情もあり、開腹手術に切り替えたことなどをかみさんから聴く。
ああ、そういうことね。このマンホール乗っかった痛みはそこから来るんだな。
やせなきゃね、メタボはダメだよね、なんて、思い。

術後明けから一晩、ここがしんどかった。
病院の浴衣と紙おむつを着用。ほぼ寝たきり。

そして、術後2日目
相変わらず、上半身前面にマンホールのふたが乗っていて、痛みもあり、
咳払いも出来ないくらい痛い。
ところが、
最初はマンホールだった違和感も、徐々におぼんが貼り付いてるような感触に変化。

怖くて、お腹のところは、見ていない。ナース任せ。
吐き気と頭痛の連続、微熱もあり。このあたりが、
絶不調のピークだと思う。食欲も無かったし。

当初、パジャマしか想定していなかったけど、開腹手術になったため、
浴衣(前開き)と腹帯を追加購入してもらい、着用。
この浴衣を着るとですね、いかにも闘病中な姿になる訳です。

その姿を見た息子が、
「おすもうさんみたいだね!」と。

お前!笑わすな!
腹痛いわ!


ずっと、偏頭痛が続いてて、ゾーミックを1日に2回くらい投与。

点滴は電解質と、栄養と、抗生物質と、その他諸々&必要に応じて痛み止め。
通常の腹腔鏡手術の患者さんよりも1日以上は回復は遅れるでしょうとのこと。
そりゃそうだよね。

とにかく、点滴打ってると、不思議と、腹も減らないし、おしっこも出るのね。

痛み止めをドープしてもらったとき、これすごいのよ。
もう、ラリっちゃうっていうか、やばいくらい、痛くないし、
ふわっふわっっていうか、ハイになるっていうか、
多分、薬物中毒者はこういう感じになるんだろうっていうくらいの感覚。
ある意味、気持ちいい(笑)

目を閉じると、
暗闇の、よく見えないところで、ナオトインティもやもやが、踊っているような
そんな画像が流れるんです。
要するに、もやもやしているってことなんですよ、ええ。
その時点で、ナオトインティ何とかの何とかの部分が自分の中で
もやもやしていた(知らなかった)ので、
もやもやの象徴として、ナオトが出てきたのかもしれませんが。

ナースに、その話したら、
そう、これね、このテの薬で中毒になる人は確かにいるのよ、
って言ってました。

だろうね〜これ、
重たい、痛い身体から、もう一つの身体を分離したかのような錯覚を得るんだもん。
ちょっと、怖いと思いました。これ。
しかし、
しかしですね、僕の場合、このラリった時間のその後、
暫くして痛み止めが抜けた後に、モーレツな頭痛がやってくるのです。
これには参った。

偏頭痛か、普通の頭痛か区別が付かないので、
とりあえず、ゾーミックを飲むと、直るんだけど、
一度だけ、深夜だろうか、ゾーミックが効かなくて、困った。
幸い、吐き気止めを飲んでいたことで嘔吐にはならなかったけど。
(嘔吐っていっても、胃には何も無いから、何も出ないんですけど、オエオエ運動は、
とにかく、辛いですからね)一晩中、頭がガンガンしてました。

3日目
この日におしっこの管とドレーンを抜いた。
怖かった(笑)

おしっこの管は、すごい奥に入っているのね。20センチくらい
管が挿入されていたんじゃなかろうか。
俺の好きなナース(水川あさみ似)に処置してもらった。
俺はベッドに座った状態で、ナースはひざまずくような体勢(笑)
で、外してもらったんだけど
もう、ここまでくると恥ずかしいとかそういうのはありませんね。
とにかく、感謝、違和感からの解放に感謝(笑)
ナースと俺の共同作業です。
ナースが言います。
「はい、肩の力を抜いて〜、息を吐きながら・・・・・」
スルーっと抜きます。
と同時に、オシッコがちょろっと漏れるので、紙おむつでフォローする俺。

ああ、このナースに俺のtintinを処置してもらったのかと思うと、普通なら
こっ恥ずかしいものですが、ここまで来ると、そういう気、全く起こりませんね。


お腹の横のドレーンチューブは、先生に抜いてもらいました。
怖くて見ませんでしたわ。チューブを抜いた後は、大きめのバンドエイド貼るだけ・・・・
ええ??それだけ?

これで、俺の付属品は点滴だけになったので、この日からちょこちょこ
歩き出し開始。笑う膝。
但し、病棟の廊下をぐるっと回っても、せいぜい1周150〜200歩程度
それでもまぁ、疲れますね、久々に歩くと。たかだた、3日振りじゃね〜か、
情けね〜な〜、やっぱ浴衣はダメだ。鏡に写った姿は、もろ病人じゃん!

点滴のチューブが刺さっていますけど、点滴は外してありますので、
自由に歩けます。(写真は入院直後/手術前のものです)


腹腔鏡手術の人、
俺よりも後に手術して、もう、俺より元気そうじゃん
そりゃそうだ、こちとら、切腹じゃ!
武士としては、背中を切られた訳じゃないので、
恥ずかしくはないか・・・・、でも、腹切りだからな(汗)

この日の昼からかな、みそ汁半分に豆腐を砕いたもののみ
夜は、スープのみ。
染みたね〜、日本人だね〜、涙が出たよ、味のあるものを久々に口にした喜び。

腹腔鏡の人は、もう、低脂肪食になっている。

4日目
まだ、点滴あり。常時ではなく、一日に補給する点滴の量が減っております。
あともう少しか・・・。

そして、お腹の痛みもあきらかに小さくなっているような気がする。
特に、姿勢変化に少しずつ対応の幅が広がっていることを実感する。
ベッドに横になる時の痛みとか、ちょっとしたときの仕草
そういう時の痛みが、昨日より緩和している、改善していることを実感する。

俺、回復してるじゃん?!ってな感じで。
咳払いとか、マジで出来ないのと、
ベッドから起き上がる時に痛い。

一日3回の呼吸練習は役に立った。回復の具合がわかる。
面倒ではあるが、この練習は、有効だと思った。
だんだんと、深く深呼吸が出来るようになってきた。

シャワーを浴びる。
傷口は、防水パッチを貼ってあるので、大丈夫らしい。
色んなところの毛を剃られていた。
あれって、術前に処理するんじゃなくて、手術当日、その場で処理したみたいです。

それにしても、21:00消灯は悲しい。
よって、寝た振りして、ラジヲを聞いている俺。
寝た振りが、そのまま寝ちゃったり。


5日目以降
もう、ひたすら、回復を目指す日々。

ナース達はローテーションなんだけど、だんだん
顔見知りになり、名前を覚え、
そして、
パワーポイントで、分からないところがある
なんつって、
それはね、図形描画から、円を選び、その円にアニメーション設定してさ、
クリックで作動か、時間で作動するようして、
効果を設定するのだよ、と
無茶な説明。
彼女:ええ〜覚えられないよ〜
と。
俺:クチだけで説明すんの無理だよ〜
なんて、だんだん余裕ができてきたぞ。
でも、右クリックとは何ぞやから説明するのは、さすがにメンドクサイ(笑)
ナースも大変ね、いきなりパワポやるって。

外は、毎日暑いのですが、34℃とか、
でも院内は、涼しいのよね、28℃で涼しいと感じちゃうのよん、

写真は、八王子駅に隣接するタワー
多分、この界隈では一番背が高いです。

6日目
防水パッチを朝はがして、抜糸。ガーゼ式に交換。
この過程は怖くて、目をあけていません。
痛くないのよ、傷口が痺れてて、感じないんだな。

20センチくらいの傷を全部で6カ所くらいで留めてあるだけなのね。
もっと、何十針も縫ってるかと思ったら、そうでは無いみたい。

傷口を初めて見ました。
超グロイです。赤っぽい汁が、出てます。見た目は、マグロの刺身から染み出たような
色合い。
写真とってないですが、
メインの切り口の真ん中あたりから、汁が出てます。
形状としては、ウインナーの切れ目とか、回転寿司のアジとかの表面の切れ目とか
ちょっと割れてて、その中が赤くて、
汁は、何とも言えない色、赤と黄色が混じった、そうそう
あの〜擦りむいたりさ、怪我した時に、直りかけの時、カサプタになる前の液体とでも
いいましょうか。

これ、大丈夫か?って
数人のナースに聞いても、「全然ok」、「キレイなほうよ」「異常ないです」とのこと
中には、その割れ目に指を突っ込んで、石けんで洗ってもいいよ、っていうのもいて
俺、無理だわ〜、ちょっと、怖過ぎるよ、グロ過ぎるよ、これ。
ドレーンの穴からも汁が出てます。
こんなんで、大丈夫なのか?

点滴も、もう無し。

あとは、傷口の処置だけだ。
簡単に言うと、寝てるだけ。
病院にとっては、お金にならない患者ってことになるかな。


7日目
もう、退院しても良いよ、とのこと。
マジかよ!
俺はまだ、ここに居たいよ、
自分で傷口処置するの嫌だな〜

とかなんとかいいながらも、
退院後の生活について、栄養士と相談。
ナースと相談。

8日目
って訳で、翌日(8日目)の午前で退院となりました。
退院ってのは、あくまでも病院で処置する事がなくなったというだけで、
入院前の状態に戻ったという訳ではありません。
はっきり言って、体力が激減しているので、
家で静養しないと、いきなり社会復帰は100パーセント無理です。

これ、手術したこと、入院したこと無い方は、
かなり誤解されていますが、
退院=フルパワーはあり得ません。
だいたい、退院直後の状態は、多分30%くらいしか出ていません。
この辺を勘違いされている方が実に多い。
腹腔鏡手術は、確かにダメージが小さいようですが、開腹に関しては、このあたりに
大きな差が生じます。

8日目に退院してから、さらに1週間を要しました。私の場合。
これでも、入院前のパワーには戻っていません。60%くらいでしょうか。
微熱もありますしね。
手術前の2日間を合わせると、通算で17日間休みましたね。
手術をするっていうのはそういう事です。

ま、そんな事も、経験しないと分かりません。
健康な人、経験の無い人は、所詮はこれらの基準、実態は
計る事が出来ないでしょうから、
僕が、そういう経験をしたというのは、会社の中でも、良かったのかなと思います。
そういう人間も会社には必要でしょ(笑)

そんな貴重な体験/経験をこの夏、しました。
もし、また、入院するような事があったら、もっと要領よく
振る舞えると思います(爆)

ご質問などありましたら、メール下さいませ。
極力答えますよ。ナースとどうやって仲良くなるか?とかね。

ラベルを追加しました。
「胆のう摘出手術」でまとめて表示できます。


0 件のコメント:

コメントを投稿